業種別 就業規則作成のポイント・注意点〈運送業・運転手編〉

就業規則を作るとき、テンプレートなどを参考にされる方も多いですが 「これはうちの業界だと合わないよなぁ・・・」 と悩んでしまうこともあると思います。

 

でも業種ごとのテンプレートはなかなかありません。

 

そこで、就業規則作成のポイント・注意点などについて 業種ごとにまとめたシリーズを作りました。

 

今回は運送業・運転手編です。

労働時間の管理方法が他の業種とは異なります

運送業の就業規則を作成する場合、最も注意しなければならないのは、労働時間の管理と言えます。

 

労働基準法では、基本的には、業種によって特別な取扱いはしないのですが、ただし、運送業については通達で労働時間に関して、他の業種とは少し異なった取扱いをします。

 

まず、拘束時間についてです。

 

運送業以外の業種に関しては、拘束時間について上限時間が定められていません。

 

拘束時間とは、労働時間と休憩時間を合わせた時間を言います。

 

例えば、小売業の場合で、最初に5時間働いて5時間休憩して、そしてまた5時間働くと、合計で拘束時間が15時間となります。

 

この場合、労働時間が10時間ですので、法定労働時間を超えていますが、36協定(時間外労働及び休日労働に関する協定届)を提出していれば、時間外労働をさせるのは、法律的に問題ないので、このような労働時間と休憩時間の合計が、つまり拘束時間が15時間であったとしても、法律上、特段問題はありません。

 

 

それに対して運送業の場合、1日の拘束時間が、原則13時間以内という規定があります。

 

ここが運送業と他の業種と決定的に違う点です。

 

なお、仮に1日の拘束時間が13時間を超える場合でも、拘束時間の上限が16時間とされていて、どんな場合であっても、1日の拘束時間が16時間を超えることはできません。

 

さらに、拘束時間が13時間を超える場合でも、1週間の間に超えることができる回数とかの制限が設けられています。

 

 

また、通常の業種の場合、勤務が終了して翌日の勤務終了までの時間、一般的にインターバルと言いますが、このインターバルについては、基本的に法律の制限がありません。

 

ですから、業務の都合で、結果的にインターバルが仮に2時間になってしまったとしても、それ自体は違法となりません。(もちろん、従業員の健康面から考えれば、インターバルは長い方が好ましいと言えます。)

 

 

しかし、運送業に関しては、休息時間という考えがありまして、業務が終わって次の業務までの時間を必ず8時間以上空けなければならない、という規定があります。

 

 

実は、運送業については、今回お話しした以外にも、労働時間や休憩時間に関して、様々な規定が通達によって定められていて、通常の業種に比べて厳しい労務管理が求められます。

 

従って、運送業の就業規則を作成する場合には、まず、労働時間や休憩時間等に関する通達を正しく理解し、それに合った規定内容とする必要があります。

 

 

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